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Q59【青空駐車場は】駐車場・駐輪場の賃貸に消費税は課税されるのか?課税されない場合は?

最終更新日:2022/01/31

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土地建物の譲渡・賃貸に消費税はかかる??

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

濱田会計事務所の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
YouTubeチャンネル:濱田会計事務所のちょっとお得な税金の豆知識
相続専門サイト:御影みらい相続センター

土地に関しては、「消費」になじまないため、消費税非課税とされていますが、「駐車場」や「駐輪場」を賃貸した場合も、「土地」と同様に「消費税非課税」となるのでしょうか?
駐車場賃貸の「消費税課税判断」は、青空駐車場・アスファルト敷き詰め等、その内容によって変わってきます。

今回は「駐車場」にかかる消費税の課税判断につきまとめます。

 

1. 土地の消費税課税関係

(1)原則と例外

土地に関しては、原則として消費税非課税ですが、例外的に「消費税課税」となる場合があります。以下の通りです。

土地の譲渡 消費税非課税(非課税)
土地の賃貸原則消費税非課税
例外以下の場合は消費税課税
①契約上の貸付期間が1か月未満
②駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合

(消施令第8条 土地の貸付けから除外される場合)
法別表第一第一号に規定する政令で定める場合は、同号に規定する土地の貸付けに係る期間が一月に満たない場合及び駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合とする。

 

(2)貸付期間1カ月の判定基準

1か月の判定は、実質賃貸期間ではなく、「契約上の期間」(形式上の判断)となります。
 

(消基通 6-1-4 土地の貸付期間の判定)
令第8条《土地の貸付けから除外される場合》に規定する「土地の貸付けに係る期間が1月に満たない場合」に該当するかどうかは、当該土地の貸付けに係る契約において定められた貸付期間によって判定するものとする。

 

2. 駐車場の場合

(1)「駐車場その他の施設の利用に伴って」とは?

上記の通り、「駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合」は課税とされていますので、これに該当する場合は、たとえ契約期間が「1か月未満」でも、消費税課税取引となります。
 

タックスアンサーNo.6213(駐車場の使用料など)
駐車場など施設の利用(※1)に伴って土地が使用(※2)される場合は、消費税の課税の対象になります。
したがって、駐車している車両の管理を行っている場合や、駐車場としての地面の整備又はフェンス、区画、建物の設置などをして駐車場として利用させる場合には、消費税の課税の対象となります。
このほか、建物や野球場、プール又はテニスコートなどの施設の利用に伴って土地が使用される場合も消費税の課税の対象となります。

(※1)駐車場用途に限らず、資材置き場、自転車駐輪場など「その他の用途」の利用も「消費税課税」になります。なお、貸付時点で更地であれば、その後、賃借人がアスファルト敷き詰め等をしたとしても、消費税非課税となります。

(※2)「使用」となっていますので、全く土地が使用されていない場合は、たとえアスファルト舗装などされていても、消費税非課税となります。
 

(2)具体例

裁判例でも、「更地」以外は、「消費税課税取引」と判断されていることが多いです。
以下、具体例を記載します。

更地非課税
駐車している車両を管理課税
ロープ等で区画区分・砂利敷き詰め・アスファルト舗装・車止め・フェンス課税
コインパーキング・立体駐車場課税

3. マンション駐車場は?

(1) 分譲マンションの場合

原則として「消費税課税」となります。
ただし、駐車場支払先が管理組合の場合は、消費税非課税となる場合があります。
マンション管理組合が区分所有者(組合員)との間で行う取引は、「営業」に該当しない、つまり「事業の対価」ではないからです。会費的な位置づけとなります。
 
自転車駐輪場などは「管理組合」などが支払先になっている場合もありますよね。この場合は消費税非課税となります。
 

(2) 賃貸マンションの場合

原則として「消費税課税」となります。
ただし、以下の条件すべて満たす場合は、消費税非課税となります。

入居者1戸あたり1台以上の駐車スペースが確保されている(自動車保有に関わらず割当)
駐車場代が家賃と区別せず一式で収受されている
マンション敷地内に駐車場を確保

例えば、マンション敷地外に駐車場を確保している場合や、家賃と駐車場代が別に引き落としされる場合は×です。

消基通6-13-3(駐車場付き住宅の貸付け)
駐車場付き住宅としてその全体が住宅の貸付けとされる駐車場には、一戸建住宅に係る駐車場のほか、集合住宅に係る駐車場で入居者について1戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられる等の場合で、住宅の貸付けの対価とは別に駐車場使用料等を収受していないものが該当する。

 

4. 駐車場敷金・礼金・仲介手数料にかかる消費税

月極駐車場を借りる際に敷金・礼金・仲介手数料が発生することがあります。これらに関する勘定科目及び消費税の課税判断は以下の通りです。

内容会計処理消費税の取扱い
敷金敷金・保証金等(資産)対象外
礼金長期前払費用課税(※)
仲介手数料支払手数料課税

(※)契約時に支払う礼金は、「駐車場賃貸借契約を締結した」という「役務提供」に対して支払われるものです。
つまり、消費税は「駐車場家賃」と同様の判断となり、「消費税課税取引」となります。
 

5. 参照URL

(平22.3.2、裁決事例集No.79~ロープ区分で課税判定された判例~)
https://www.kfs.go.jp/service/JP/79/36/index.html

 

6. YouTube

 

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