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Q49【キャッシュバック】キャッシュバックを受けた法人・個人事業主の会計処理・消費税課税区分/サラリーマンの場合は? 

最終更新日:2025/04/15

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Q49【キャッシュバック】キャッシュバックを受けた法人・個人事業主の会計処理・消費税課税区分/サラリーマンの場合は?

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

濱田会計事務所の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
YouTubeチャンネル:濱田会計事務所のちょっとお得な税金の豆知識
相続専門サイト:御影みらい相続センター

例えば、金融機関やクレジットカード会社などから、利用料に応じた「キャッシュバック」をもらうケースがあります。また、販売代理店などでは、販売委託元から販売数量に応じた「キャッシュバック」をもらうケースもあります。
今回は、こういった「キャッシュバック」にかかる、会計処理や消費税上の取扱い、計上時期などにつきお伝えします。

 

1 キャッシュバックの種類は2種類

(1) 消費税課税要件

消費税は、①国内において②事業者が事業として③対価を得て行われる④資産の譲渡・貸付・役務の提供につき課税されます。
今回の「キャッシュバック」に消費税が課税されるかどうか?については、上記の要件を満たすかどうか?で判断することになります。

 

(2) キャッシュバックの種類は2種類

キャッシュバックが行われるケースは、大きく、①クレジットカード等の利用に応じたキャッシュバック②購入先からもらうキャッシュバックの2種類に分かれます。以下、それぞれの会計処理、消費税上の取扱いをまとめます。

 

2 クレジットカード等の利用に応じたキャッシュバック

(1) キャッシュバックの性格

金融機関やクレジットカード会社などから、利用料に応じて、「キャッシュバック」を受けるケースです。こういったキャッシュバックは、利用した店舗(=役務提供を受けた店舗)からのキャッシュバックではなく、第三者(金融機関等)からのキャッシュバックとなります。
つまり、役務提供等を受けた店舗以外からの入金となり、クレジットカード会社との間での役務提供はありません。
したがって、当該ポイントバック取引は、消費税不課税取引となります。
勘定科目は、雑収入(不課税)で計上します。

 

(2) 具体例

飲食店利用料10,000に対して、
後日、クレジットカード会社から、キャッシュバック1,000を受けた。

【仕訳例】

借方貸方
交際費(課仕)
未収入金(クレカ会社
10,000
1,000
現金(飲食店)
雑収入(不課税)
10,000
1,000

 

3 購入先からもらうキャッシュバック

(1) キャッシュバックの性格

例えば、飲食店での利用金額に応じて、直接、飲食店(=購入店舗)から「キャッシュバック」を受けるケースです(利用者がもれなくキャッシュバックを受けるケースも含む)。こういったキャッシュバックは、役務提供を受けた先(飲食店)からの直接のキャッシュバックとなります。
したがって、当該ポイントバック取引は、当初の役務提供(飲食)に対応する「対価の返還」と考え、消費税課税取引となります(課税仕入のマイナス)。勘定科目は、当初支出した科目のマイナスで計上します。

 

(2) 具体例

飲食店利用料10,000に対して、
飲食店舗から、キャッシュバック1,000を受けた。

【仕訳例】

借方貸方
交際費(課仕)
現金(飲食店)
10,000
1,000
現金(飲食店)
交際費(課仕返還)
10,000
1,000

なお、キャッシュバックを行った店舗側は、売上にかかる対価の返還(課税売上のマイナス)、ないし広告宣伝費(課税仕入)で処理を行います。

 

(3) 仕入先からの販売実績に応じてもらうキャッシュバックも同様

販売代理店が、販売数量に応じて販売委託元から「キャッシュバック」を受けるケースも、上記同様、役務提供を受けた先(仕入先)からの直接のキャッシュバックとなり、消費税課税取引となります(課税仕入のマイナス)。
勘定科目は、当初支出した科目のマイナスで計上します。

販売委託を受けた商品の販売額10,000に対して、
後日、仕入先(販売委託元)から、キャッシュバック1,000を受けた。

借方貸方
仕入(課仕)
未収入金(仕入先)
10,000
1,000
現金(仕入先)
仕入(課仕返還)
10,000
1,000

なお、キャッシュバックを行った側は、売上にかかる対価の返還、課税売上のマイナス、ないし販売促進費(課税仕入)で処理を行います。

 

(4) 販売数量等に応じないものは消費税不課税

消費税課税取引となるケースは、販売数量等、「一定の基準」に応じて受け取るものに限られます。販売数量等と必ずしも対応しない基準で支給される場合は、当初の支出との対価関係がありませんので、「消費税不課税取引」となります。
この場合は、雑収入(不課税)で計上します(支払側は交際費(不課税))。

消基通12-1-2 (事業者が収受する販売奨励金等)
事業者が販売促進の目的で販売奨励金等の対象とされる課税資産の販売数量、販売高等に応じて取引先(課税仕入れの相手方のほか、その課税資産の製造者、卸売業者等の取引関係者を含む。)から金銭により支払を受ける販売奨励金等は、仕入れに係る対価の返還等に該当する。

 

4 キャッシュバックの計上時期

購入時にキャッシュバックの金額がわかるものは、購入時に「未収入金」で計上します。一方、購入時に金額がわからないものは、その金額の通知を受けた日となっています(12-1-10)。

【消基通12-1-10まとめ】 仕入割戻しを受けた日

種類仕入割戻の計上時期
算定基準が購入価額又は購入数量によっており、かつ、
その算定基準が契約その他の方法により明示されているもの
資産の譲渡等を受けた日
上記以外仕入割戻の金額の通知を受けた日

なお、通知などがない場合は、入金時に処理を行うものと思われます。

 

5 サラリーマンなど個人の場合は?

個人(個人事業主を除く)の方がキャッシュバックを受けた場合は、一時所得に該当するものと思われます。一時所得の場合は、50万の特別控除と1/2できる規定ありますので、現実的に課税されるケースは少ないかと思われます。なお、サラリーマンの方などは、給与以外の所得が年間20万円以下の場合、確定申告不要となります。

 

6 ポイントバックの場合は?

現金ではなく、ポイントで還元されるケースもあります。ポイントの場合は、付与時点での処理はなく、利用時点で会計処理を行います。
詳しくはQ86をご参照ください。

 

7 参照URL

消費者に対するキャッシュバックサービスの課税関係

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/15/02.htm

No.6363 値引き、返品、割戻しなどが行われた場合の税額の調整(仕入に係る対価の返還等)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6363.htm

No.6359 値引き、返品、割戻しなどを行った場合の税額の調整(売上に係る対価の返還等)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6359.htm

 

8. YouTube

Coming soon

 

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

濱田会計事務所の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
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