税金の豆知識

Q103 従業員への商品券・カタログギフト支給は給料扱い?結婚祝いは福利厚生費OK?

最終更新日:2022/02/03

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Q103 従業員への商品券・カタログギフト支給は福利厚生費?

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

濱田会計事務所の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
YouTubeチャンネル:濱田会計事務所のちょっとお得な税金の豆知識
相続専門サイト:御影みらい相続センター

従業員への福利厚生の一環として、「誕生日」に商品券などをプレゼントする、なんて粋な会社もありますよね。
でも、こういった取引は、経費として処理できるでしょうか?

「福利厚生費」として処理できれば何の問題もありませんが、税務上、「給料扱い」になれば、従業員側に「所得税」がかかってしまうので、注意しなければいけません。

 

1. 現金・商品券を渡した場合は?

従業員に「現金」を渡した場合は、金額の多少にかかわらず「給与課税」になります。
また、「商品券」は、金銭を渡したことと同様になりますので、現金同様、金額の多少にかかわらず「給与課税」になります。

 

2. カタログギフトの場合は?

カタログギフトを受け取った従業員は、複数の商品を選べることになります。
この点で、「金銭」を渡したのと同じと取り扱われ、金額の多少にかかわらず「給与課税」となります。

 

3. 商品を渡した場合

原則的には、「給与課税」となります。
とはいっても、例えば、年1回の誕生日に、ケーキや花束、ちょっとしたプレゼントを渡す程度(社会通念上相当な金額)であれば、「福利厚生費」での処理が可能と考えられています。
ただし、特定の社員だけを対象にしたものではなく、社員全員を対象にした公平なものである必要があります。

 

4. 結婚祝い・出産祝い

例外的に、結婚祝い・出産祝いに関しては、現金や商品券等を渡す場合でも、その金額が「社会通念上相当」と認められるものは、「福利厚生費」となります(所基通28-5)

ただし、この通達では結婚祝い、出産祝いしか記載されていない点、注意です。
誕生日祝いで「現金」を渡したケースで、「社会通念上一般的とはいえない」として、否認された判例がありますので、ご留意ください。

 

5. 現物給与の源泉徴収

商品券などの支給が「給与」と取り扱われる場合は、通常の給料同様に、源泉徴収が必要となります。
(現物給与が「賞与」となる場合は、金額によって源泉徴収が不要なケースがあるかもしれません。この場合は年末調整で調整を行うことになります)。

 

6. ご参考~得意先へ贈答する商品券は~?

得意先に贈答する商品券は、「交際費」として処理しますが、消費税上は課税仕入にならない場合があります。詳しくはQ138をご参照ください。

 

7.参照URL

● 給与に係る経済的利益
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/03.htm

● 誕生日金銭支給 否認判例
http://www.kfs.go.jp/service/JP/66/16/

● 結婚祝い金等(所基通達28-5)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/04/03.htm

● 消費税 寄附金や交際費の取扱い(得意先へ交付する商品券)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6463.htm

 

8. YouTube

 
YouTubeで分かる「従業員への商品券・カタログギフト支給」
 

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