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Q115【住宅ローン特別控除】取得対価より借入金が多い場合は?取得対価に含まれるもの

最終更新日:2022/02/03

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Q116 住宅ローン特別控除ができるマイホームの「取得対価」って?

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

濱田会計事務所の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
YouTubeチャンネル:濱田会計事務所のちょっとお得な税金の豆知識
相続専門サイト:御影みらい相続センター

「住宅ローン控除」って、聞いたことありますよね?

住宅ローンをお持ちの方で、「一定要件」を満たす場合、所得税を安くしてくれる制度です。税額から直接控除してくれる制度ですので、他の所得控除と比べても、税金軽減額が大きい特典です。

今回は、この住宅ローン控除と、「マイホームの取得対価」との関係をまとめます。

 

1.住宅ローン特別控除って?

住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合、「一定要件」を満たすと、各年分の所得税額から「税額控除」ができる制度です。

 

2.税額控除額

● 住宅ローン残高をもとに計算します。(年度によって、率や上限額は異なります)
● 住宅ローン金額「全額」ではなく、「マイホームの取得対価」が上限となります。

 

(例)住宅ローン5,000万円・マイホーム取得対価が3,000万円の場合

⇒住宅ローン控除限度額は、3,000万円が上限となります。
なので・・「マイホームの取得対価の額」は、意外と重要なポイントですよ!

 

3.マイホームの取得等の対価は税込判定?

取得対価の金額は、消費税込みの対価で判定します。
 

4.マイホームの取得等の対価に含まれるもの

 

実務上、迷いやすいものを以下にまとめます。

内容可否摘要
建物付属設備は?家屋と一体で取得した付属設備(電気設備、給排水設備、ガス設備等)は、マイホームの取得等の対価の額に含まれます。増改築等工事の場合も、家屋と一体となって効用を果たすものは含まれます。
構築物や器具備品は?×構築物(門や塀、車庫等)や、器具備品などは、原則、マイホームの取得等の対価の額には含まれません。(家屋等と合わせて同一者から取得&金額僅少な場合は、例外的に含めてOK)
設計料は?例えば、建築業者以外の建築士などに支払う設計料などは、取得対価に含めてよいことになっています。
(実際建築した家屋に対応するもののみ)
マンション共用部分の購入価額は?共用部分のうち、持分に対応する部分は、家屋等の取得対価の額に含まれます。
敷地の造成・改良等費用(取得の対価としてよいもの)
● 埋立て、土盛り、切土・地ならし等、土地の造成や改良のための費用
● 土地等と一括で取得した建物等の取壊費用(取得後おおむね1 年内に建物取壊に着手するなど、一定の場合のみ)
植木・芝生・花壇庭園等×植木や芝生、花壇庭園等の取得対価の額は、原則、マイホームの取得等の対価の額には含まれません(家屋等と合わせて同一者から取得&金額僅少な場合は、例外的に含めてOK)。
仲介手数料・登録免許税・不動産取得税等×マイホームの取得等に伴って支出した仲介手数料や登録免許税・不動産取得税は、マイホームの取得等の対価の額には含まれません(マイホームの取得等のために直接要した費用とはいえないので)。

なお、共有で取得した場合は、家屋全体の取得対価×持分割合で、各持分の取得対価を計算します。

 

5.ご参考~譲渡時の「取得費」との関係~

将来、マイホームを譲渡する場合には、譲渡に対応する「所得税」を算定しますが、この、譲渡所得税を算定する際に集計する「取得費」と、住宅ローン控除時の「マイホームの取得の対価」は、対象範囲が異なりますので、注意しましょう。

 

(例)

譲渡所得算定時の「取得費」マイホームの取得等の対価
マイホーム取得時の付随費用
(仲介手数料・税金など)
含まれる含まれない

例えば、取得時の付随費用(仲介手数料や税金など)は、譲渡所得算定時の「取得費」に含めて集計できますが、「マイホームの取得等の対価」には含まれません。
(通常、譲渡所得算定時の「取得費」は、多ければ多いほど税額は安くなります)。

ですので、取得時に支払った手数料等の「領収書」は、住宅ローン控除の際は関係ありませんが、将来譲渡する場合は利用しますので、必ず捨てずに置いておきましょう!

 

6.家屋の敷地の用って?

住宅ローン控除ができる「土地」は、「家屋の敷地の用に供されている土地」である必要があります。基本的には、「居住用用途の土地」というイメージです。
「家屋の敷地の用に供されている土地等」に含まれないもので、実務上迷いやすいものは以下の通りです。

 

可否摘要
居住用以外の用途に供されている敷地
(プール・私道など)
×● 居住用以外の用途とは、例えば、事業用の部分(店舗併用住宅の店舗や、プール・テニスコート)などです。私道であっても、実際、居住するために必要な私道は「居住用面積」に含まれます。
● 居住用部分がおおむね90%以上の場合は、全額「居住用部分」と扱ってOK
増改築に伴って取得した土地×増改築で取得した土地は、居住用家屋の取得(新築or中古)に伴って取得したものではないため、含まれません。
ゴミ置き場×ただし、家屋そのものの敷地と併せて、同一の者から取得した場合はOK。
駐車スペース×ただし、家屋そのものの敷地と同一敷地である場合はOK。

 

7.YouTube

 

YouTubeで分かる「住宅ローン特別控除の取得対価より借入金が多い場合」
 

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