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Q56【具体例付】車両の下取り&買換えの仕訳/消費税の取扱い/リサイクル預託金の勘定科目は?

最終更新日:2022/01/28

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Q56 車両の下取り&買換えの仕訳/税金やリサイクル預託金等の勘定科目・消費税の取扱いは?

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

濱田会計事務所の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
YouTubeチャンネル:濱田会計事務所のちょっとお得な税金の豆知識
相続専門サイト:御影みらい相続センター

車両を下取り&購入する場合の会計処理は・・意外と難しいです。
なぜかというと・・「購入」と「売却」という2つの取引が重なっているためです。

「下取り&買換え」の仕訳を行うにあたっては、「売却取引」と「購入取引」を別々で捉えると、理解が進むと思います。
今回は、車両下取り&買替えの会計処理を解説します。

 

1. 具体例

● 現在のプリウスを下取りに出し、アクアに買換えする。
● プリウス下取代金は、全額アクア購入代金に充当し、残代金は、全額「割賦払」するものとする。
● アクアの現金購入価格は3,500,000円(税込、諸費用等含む)、別途割賦手数料が300,000円発生する。
● プリウス下取価格は800,000円(税込、リサイクル預託金20,000円含む)、売却時の帳簿価額は1,000,000円。

 

2. 新車両(アクア)購入の処理

購入時は、さまざまな「諸費用」の支払がありますので、「各勘定科目の判断」や「消費税区分」に迷われると思います。
以下、具体的な「注文書」をもとに、「勘定科目」と「消費税」の取扱いをまとめます。

 

(1) 勘定科目&消費税区分

「注文書」の構成は大きく4つ。本体等(A)、諸費用(B)、消費税(C)、割賦手数料(D)です。
勘定科目と消費税の取扱いをまとめると、以下の通りとなります。
「勘定科目」の列は、費用項目は「赤字」(損益計算書)、資産項目は「青字」(貸借対照表)で記載しています。

 

Q56 車両の下取り&買換えの仕訳/税金やリサイクル預託金等の勘定科目・消費税の取扱いは?

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

濱田会計事務所の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
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相続専門サイト:御影みらい相続センター

※1納車・整備費用販売店からの納入費用(ガソリンや人件費等)。取得原価に含めるのが原則ですが、実質内容は、雑多なコストも含まれるので、「支払手数料」(課税)でOK
※2リサイクル資金管理料金リサイクル料金の管理業務を行う財団法人に対する「管理料」のため、支払手数料(課税)処理でOK。
※3自動車取得税・検査登録費用
車庫証明費用
取得に直接要した費用のため、「取得原価」に含めて処理することも認められます。
※4リサイクル預託金将来の自動車解体等にかかるコストを、購入時に前払するもの。サービス消費は将来のため、購入時は「預託金」(資産)処理、廃車時に経費処理(課税取引)
※5割賦手数料割賦手数料は、原則として「車両運搬具」の取得価額に含めて処理します。ただし、消費税非課税取引となる点に注意。詳細はQ172をご参照ください。

なお、自賠責保険料は、購入時に3年分一括で支払うことになりますが、支払時に一括費用処理(「短期前払費用」を準用)が認められている実務があることから、上記仕訳は「保険料」として一括費用処理しています(Q72参照)。

 

(2) アクア(新車両)購入仕訳
借方貸方内容
車両運搬具(課)2,950,000長期未払金3,800,000A 本体合計
支払手数料(課)50,000⑥ 販売諸費用
租税公課(不)147,000⑦ 自動車税+取得税+重量税
保険料(非)20,000⑦ 自賠責保険料
支払手数料(非)13,000⑦ 検査登録⁺車庫証明
預託金(不)20,000⑦ リサイクル預託金
仮払消費税300,000C 消費税
車両運搬具(非)300,000D ローン分割手数料

 

3. 旧車両(プリウス)売却の処理

(1) 勘定科目&消費税区分

車両売却に関する会計処理については、以下の点に留意する必要があります。

● 消費税は「売却代金」に対して課税されます(Q37参照
●ただし、 売却代金には、旧車両の「リサイクル預託金」が含まれています。通常、注文書等の売却代金には「リサイクル預託金」部分が明示されていない場合が多いです。 当該「リサイクル預託金」部分は「金銭債権」のため、消費税「非課税売上」となります。
● したがって、売却の際に消費税が課税される金額は、「売却代金-リサイクル預託金」の金額となります。

 

(2) プリウス(旧車両)売却仕訳
借方金額貸方金額
現金800,000車両運搬具1,000,000
固定資産売却損(※2)290,909預託金(非売)20,000
仮受消費税(※1)70,909

(※1) (800,000(売却額)-20,000(預託金))÷1.1×0.1=70,909
(※2) 貸借差額

●「リサイクル預託金」の譲渡(20,000円)は、「金銭債権の譲渡」となりますので、消費税「課税売上割合」の計算上、5%を分母の額に算入する必要があります。

 

(3) 個人事業主の場合

● 個人事業主の場合、固定資産売却による損益は、「事業所得」ではなく「譲渡所得」となりますQ123参照)。したがって、個人事業主の場合は、上記売却仕訳のうち「固定資産売却益」部分は「事業主勘定」で処理し、別途、確定申告書では、「譲渡所得」として集計します。
● 「譲渡所得」には50万円の特別控除や1/2規定がありますので、一般的に「課税金額」は低くなります。
 詳しくはQ177をご参照ください。
● 一方、個人事業主の場合も、消費税は法人同様、売却代金に対して課税されます。
● 個人事業主の場合の仕訳は、以下の通りとなります。

借方金額貸方金額
現金800,000車両運搬具1,000,000
事業主勘定290,909預託金20,000
仮受消費税70,909

 

(4) ご参考~車両を廃車した場合のリサイクル預託金の会計処理

売却ではなく、廃車した場合は、リサイクル預託金は返金されません。
廃却時点で「費用処理」(支払手数料でOK)、消費税課税取引となります。

借方金額貸方金額
支払手数料(課)18,182預託金20,000
仮払消費税1,818

 

4. YouTube

 

YouTubeで分かる「車両の下取り&買換えの仕訳」
 

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