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Q148 源泉徴収が必要な個人に対する報酬・料金等とは?対象とならないものは?/士業・講師料・デザイン料・コンサルティング料

最終更新日:2023/12/27

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Q148 源泉徴収が必要な講師料・デザイン料・コンサルティング料

この記事は税理士/濱田隆祐により執筆されました。

公認会計士・税理士:濱田隆祐(はまだりゅうすけ)

濱田会計事務所の代表税理士
近畿税理士会 神戸支部:登録番号121899
日本公認会計士協会 兵庫会:登録番号17074
兵庫県行政書士会:登録番号19300373
1973年生まれ、大阪府豊中市出身
あずさ監査法人出身
クレアビズコンサルティング株式会社:代表取締役
YouTubeチャンネル:濱田会計事務所のちょっとお得な税金の豆知識
相続専門サイト:御影みらい相続センター

会社員の方は、毎月「給料」から所得税が差し引かれていますよね。
これは「源泉徴収」「源泉所得税」と呼ばれています。
会社には、給与支払時に「源泉徴収」義務があり、従業員から預かった「所得税」を税務署に納付しなければなりません。
 
また、給料以外にも、会社が支払う際に「源泉徴収」が必要なものとして、「個人に対する報酬」、例えば税理士に支払う報酬や、講師料、デザイン料などがあります。
 
今回は、源泉徴収が必要な報酬・料金のうち、迷いやすい講師料、デザイン料などを中心にまとめます。

 

1. 源泉徴収が必要な個人に対する報酬・料金等とは?

(タックスアンサーNo2792 抜粋・まとめ)

支払内容具体例・注意事項
原稿料や講演料など● セミナー等の講師料・講演料、作家・ライターへの原稿料等
● デザイン料(WEB、グラフィック・広告デザイン等)
● 懸賞応募作品入選者への賞金、新聞等への投稿謝金

謝金、取材費等の名目でも、実態が原稿料や講演料と同じ場合は、すべて源泉徴収の対象

弁護士等の士業報酬● 特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
 ⇒弁護士、公認会計士、司法書士等
● 経営コンサルティング料
 ⇒中小企業診断士、経営コンサルタント等へ支払う料金。
社会保険診療報酬社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
プロ選手や、モデル・外交員などへの報酬プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員など
芸能人等の個人への報酬芸能人や、芸能プロダクションを営む個人
宴会等でのコンパニオンなどへの報酬ホテル、旅館などで行われる宴会等で客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コホンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬
一時に支払う契約金報酬プロ野球選手の契約金等、役務提供を約することにより一時に支払う契約金
賞金等広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

 

2. 源泉徴収の対象とならないもの

例外的に、以下の取引は、源泉徴収の対象になりません。
なお、前提として、支払相手先が法人の場合は、そもそも「源泉徴収対象外」となります(馬主である法人を除く)

懸賞入選者賞金や新聞投稿謝金
1回支払額が5万以下のもの(※)
1人に支払う金額が、1回5万円以下であれば源泉徴収対象外
意匠料・看板手書き料デザイン料に似ているが、これらは源泉徴収対象外
経営以外のコンサルティング料・行政書士への支払い● 経営以外のコンサルティング料は、源泉徴収対象外
行政書士への報酬も源泉徴収対象外
士業等への支払のうち立替分● 例えば、登記にかかる登録免許税等
● 本来、依頼者が支払うべきものを士業が立替払するもの。立替払が明確なものであれば、源泉徴収対象外
通常必要な範囲内の交通費、宿泊費等支払者が直接、交通機関やホテル等に支払う場合は源泉徴収対象外
個人や個人事業主のうち、一定の要件を満たす人個人等への支払でも、給与などの支払いがなく、弁護士等の士業に対してのみ支払いがある方は源泉徴収対象外

(※)原稿料や講師料のうち、源泉対象外となるのは、懸賞入選者賞金や新聞投稿謝金だけです。
 ⇒5万円以下の「原稿料や講師料」すべてが源泉対象外になるわけではない点、注意。

 

3. 源泉徴収の金額・納付期限(代表例のみ)

(1) 源泉徴収金額
原稿料や講演料など
弁護士等の士業報酬(※)
100万円以下の場合支払金額×10.21%
100万円超の場合(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円

(※)ただし、士業等への報酬のうち、司法書士については、一律(支払金額‐10,000円)×10.21%となります。

 

(2) 消費税額は含める?

源泉徴収対象額は、原則として「消費税込」の金額になりますが、報酬・料金の額と消費税の額が明確に区分されている場合、報酬・料金の額のみを源泉徴収の対象として問題ありません。詳しくはQ85 をご参照ください。

 

(3) 納付期限
原稿料や講師料報酬、料金を支払った月の翌月10日(※)
弁護士等の士業報酬納期の特例適用可(半年に1回。1月、7月)

(※)原稿料や講師料は、納期の特例(半年に1回納付)は適用できない点に注意です。

 

4. 具体例

● クレアビズ社は、個人事業主である山田さんに「HP制作」を依頼しました。
● 支払日は2019年8月20日とします。

(請求書の内容)

①トップページデザイン費500,000円
②下層ページデザイン費600,000円
③トップページHTMLコーディング費100,000円
④下層ページHTMLコーディング費100,000円
⑤お申込みフォーム設定・設置費200,000円
⑥検索機能導入費150,000円
⑦絞込機能導入費150,000円
小計1,800,000円
消費税(8%)144,000円
合計1,944,000円

 

(1) 源泉徴収の対象となる作業内容

源泉徴収が必要となる作業内容は、「デザイン料」に該当する①②のみです。

 

(2) 源泉徴収対象金額

請求書上、消費税が明確に区分されているため、消費税を除いた金額で源泉徴収税額を計算します。

①500,000円+②600,000円=1,100,000円

 

(3) 源泉徴収税額

(1,100,000円-1,000,000円)×20.42%+102,100円=122,520円

 

(4) 納期限

クレアビズ社は、2019年9月10日までに122,520円を税務署へ納付します。

 

(5) 実務上の処理

ただし、実務的には、請求書合計額全額を源泉徴収対象として源泉徴収税額を計算する場合も多いです。
一つ一つ、内容を見て源泉を計算するのは大変ですからね!

 

5. 参照URL

● 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.htm

● 報酬、料金等の源泉徴収事務
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2017/pdf/07.pdf

 

6. YouTube

 

YouTubeで分かる「源泉徴収が必要な個人に対する報酬は?」
 

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