税金の豆知識
Q152 軽減税率Q&A(個別事例)条文一覧
最終更新日:2022/02/035196view
前回、「消費税軽減税率」の総括的なお話をしましたが、
今回は個別論点として、公表されている「消費税軽減税率制度に関するQ&A」のうち「飲食に限定」して、まとめました。
あまり面白くない論点ですが・・お客様から希望があったので、せっかくなので・・。
文章内のカッコ書きは、「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」の条文番号になります。
今回は、細かい話はおいといて、ざっと条文をたどりたい場合の参考程度で。
目次
1. 軽減税率対象となる「飲食料品」に該当するか?
まず、どういったものが軽減税率対象の「飲料食品」に該当するか?という論点です。
軽減税率の対象となる「飲食料品」は、食品表示法に規定する食品(酒類法に規定する酒類を除く)となっています(1)
軽減税率対象 | 軽減税率対象外 |
---|---|
● 食用の生きた魚の販売(3) ● コーヒー生豆の販売(5) ● もみの販売(人の飲食用)(6) ● ミネラルウォータ-・氷の販売(8・9) (水道水・ドライアイスは×) ● 料理酒・みりん風調味料(14) (アルコール度数1度未満) ● ノンアルコールビール・甘酒の販売(15) ● 酒類を原料とした菓子販売 (16) ● 日本酒を製造するための米の販売(17) ● 添加物の販売 (金箔・重曹・化粧品メーカーへの添加物、炭酸ガス等)(18~22) ● 栄養ドリンク(医薬品等以外)(23) ● 健康食品、美容食品等の販売(24) | ● 生きた畜産物(肉用牛等)の販売(2) ● 家畜飼料・ペットフードの販売(4) ● 栽培用果物の苗木・種子販売(7) (おやつ等となるカボチャの種等は除く) ● ウォーターサーバーレンタル(10) ● 賞味期限切れ食品の廃棄 (11) ● お酒の販売(12) ● 食品の原材料となる酒類の販売(13) ● 栄養ドリンク(医薬品等)(23) |
2. 飲食料品の「譲渡」に該当するか?
飲食料品であっても、「譲渡」に該当しなければ、軽減税率対象外となります。
飲食料品の譲渡に「該当するもの」「しないもの」をまとめると、以下の通りです。
軽減税率対象 | 軽減税率対象外 |
---|---|
● 飲食料品販売に使用される容器・包装材料、保冷剤等 (別途対価もらわないもの・キャラクター付・桐箱・ビン含む) (25~27,30,31) ● 割り箸・ストロー等付帯弁当・飲料(28) ● 自販機ジュース、お菓子等の販売(33) ● 通信販売での飲食料品の販売(34) ● レストラン等への食材の販売(38) ● 製作物供給契約による飲食料品の譲渡 (有償支給等実態で判断)(41) ● 輸入される飲食料品(人の飲食用)(46) ● 輸入飲食料品をレストランへ販売(48) | ● お菓子用包装紙の仕入(29) ● いちご狩り等の入園料(32) (収穫した果物等の販売は軽減税率対象) ● カタログギフトの販売(35) ● 飲食料品お土産付旅行パックの販売(36) ● 出張等にかかる日当等(37) ● 飲食料品の譲渡に要する送料(39) ● 食品(コーヒー生豆の焙煎等)の加工(40) ● 自動販売機の販売手数料(43) ● 物流センターの使用料(44) ● 輸入飲食料品を、飼育用として販売(47) |
● 飲料メーカ-との間の容器保証金(消費税対象外)(30)
3. 外食の範囲
食事の提供(=外食)は軽減税率対象外となります。
ここで「食事の提供」とは、「飲食設備がある場所において、飲食料品を飲食させる役務の提供」とされています(49)
「飲食設備」・・テーブル、いす、カンター等その他の飲食に用いられる設備(51)
● 設備の所有権は問いません。例えば、フードコートにテナントとして入っていても軽減税率対象外となります(65)
● 公園などのベンチ等で飲食するもの(使用許可をとっていない)は軽減税率対象となります(51)
軽減税率対象 | 軽減税率対象外 |
---|---|
● 従業員専用休憩スペース等での飲食(54) ● ファーストフード等のテイクアウト(58) ● 飲食店レジ前での菓子等の販売(62) ● 公園等や遊園地内でのベンチでの飲食 (移動車等での食品の販売や、 売店の管理が及ばないベンチ等)(66・68) ● 列車施設内売店、移動ワゴン(69) ● 映画館売店での飲食料品の販売(71) ● ホテル等客室備付の冷蔵庫内飲料等(73) ● そば、宅配ピザ等の配達(77) ● 社内会費室への飲食料品の配達(78) (ケータリングに該当しないもの) ● 配達先での飲食料品の取り分け (味噌汁やコーヒーをカップに注ぐ程度)(79) ● 一定の老人ホームでの飲食料品の提供(80) ● 一定の学校給食(学生食堂は×)(81) | ● 社員食堂での飲食料品の提供(49) ● セルフサービス・屋台等での飲食料品の提供(50・51) ● コンビニ・スーパー等での イートイン・休憩スペースでの飲食(52・53) ● 外食提供料理を折詰、パック詰で持ち帰り (提供時点で判断)(59、61) ● セット商品のうち一部店内飲食(60) ● 飲食店で提供する缶飲料等(63) ● 立食形式の飲食店(64) ● フードコートでの飲食(65) ● 列車内食堂施設での食事、座席での注文食事(69) ● カラオケボックス飲食料品の提供(70) ● ホテル等施設での研修等や、 ルームサービスでの飲食料品の提供(72) ● バーベキュー施設での飲食等(74) ● ケータリングや出張料理(75) (老人ホーム等一定の例外あり) ● 家事代行サービス(76) ● 病院食(特別メニュー)、通常の病院食は非課税(82) ● 給食事業者の調理委託契約(83) |
● コーヒーチケットの販売(57)
コーヒーチケットと引き換えにコーヒーを提供した時が課税対象
提供した時に、店内飲食か、持ち帰りか?で判断
4. その他
(1) 販売奨励金(42)
売上・仕入にかかる「対価の返還等」に該当しますので、対象となった取引が「飲食料品の譲渡」であれば、軽減税率が適用されます。
なお、対価の返還ですので、税率は「課税資産の譲渡等の時期」により判定します。
(2) 委託販売手数料(45)
委託販売等を通じて受託者が行う飲食料品等の譲渡・・軽減税率対象
受託者が収受する委託販売手数料・・軽減税率対象外
5. 参照URL
(消費税軽減税率制度に関するQ&A)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_03.htm